子どものレジリエンス力を思う「Kくんの例」


こんにちは、理事の本間です。

Kくんの例・・・自らの「生きづらさ」を自覚して心と体に向き合った生徒

私が天津わかしお学校に在任の時、
6年生にKくんという児童がいた。

肥満の改善のための入学だったが、
実際には
「怒りの感情をどのように制御するか」
というのが大きな課題だった。

前籍校では、怒りの感情が起きると、
体が大きくて体力があることもあって、
他の児童から敬遠、疎外されることもあったようだ。

天津に来てからも、
寮でしばしばトラブルを起こした。

1学期に、平賀恭子先生に来ていただいて、
ヨガを取り入れたエクセサイズを学んだKくんは、
それがとても心地良かったようで、
東京に戻った際(帰京日)に、
自ら平賀先生のスタジオを訪ねた。
これには、私もたいへん驚いた(うれしかった)。

つまり、
日頃から怒りのコントロールに課題があり、
暴力的な行動が絶えなかったKではあったが、
本人は、心に「生きづらさ」抱え、
悩んでいたことが改めてわかった。

自分の気持ちに正直に生きているのに、
なぜか自分のまわりでトラブルが絶えない・・・

これは、本人も望んでいる状況ではないのである。
なんとか、成長したい、
友達と良好な関係をつくりたい、
というのは切実な思いだったのだろう。

こうしたことがきっかけで、
ヨガのエクセサイズを行うことを通して、
自分の心と体に向き合うことを始めたことで、
Kくんの生活は安定していった。

もちろんトラブルは皆無になったわけではないが、
一定の節度をもって、
感情をコントロールできるようになった。

卒業後は、
進学した中学校で生徒会の役員を務めている
という報告に本人が訪れた際には、
私は大きな喜びを感じた。

自分から望んで問題行動を
起こそうとする子どもはいない。

みんな、学校生活の中で友達とともに
喜びを味わいたいのである。

「困った子」は実は「困っている子」である、
という考えも、多くの教員のみなさんに浸透してきている。

その「子どもの困り感」に寄り添い、
その解決のための方法として、
自然な心と体の状況を把握したうえで、
呼吸法や基本的なエクセサイズを通して、
その状態に「復元」しようとする方法を学ぶことは、
たいへん意義深いものだと私は考える。




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